バイトした蕎麦屋のおかみさん

不倫

〔体験談投稿者:Small Stone River 様〕

俺が高校2年の頃。
携帯やスマホどころか、ネットもなかった時代の話だと思って欲しい。

俺が通ってた高校は校則もなく制服もなく、バイクの免許を取ってもお構いなし、3年生や留年生(結構いた)などはクルマの免許まで取って乗り回していた。
教師も「バイクやクルマで学校に来るのだけは勘弁してくれ」としか言わなかった。
まあ、放っておいても大丈夫だと思われれば無茶もしない。
そんな雰囲気の高校だった。

当時はバイクが流行ってた時期でもあり、たまたま学校の近所に教習所もあったので俺は17歳、高校2年の夏休み、バイクの免許を取った。

「学校でバイクの免許は禁止じゃないですか?」

教習所の受付で何度も念を押されたが、通ってる高校の名前を言うと「ああ、あそこね。毎年何人か来るね」と笑われた。
考えることは皆同じなのだろう(笑)

免許は取ったが、別にバイクを買うわけでもない。

(教習所に払った金額くらい元を取らねば・・・)

俺はそう思い、住んでいる町の商店街の蕎麦屋に『アルバイト(出前含む)募集』の貼り紙があったのを思い出し、行ってみた。
この店には家族で小学生のとき一度か二度来たことがあるだけで、あまり外食をしない我が家ではそれ以来縁がなかった。

「ごめんください、アルバイト、貼り紙を見て・・・。やりたいんですが」

店に入ってそう言うと、店主の初老の男性が「・・・あれ、どっかで見た顔だな。この辺の子だね?もしかして酒屋のYちゃんとこの子と同級生じゃない?」とのっけから言われ俺は吹き出した。

「そうです、Y屋さんのT次くんは幼稚園でいっしょでした」

そうか、と店主は言った。

「じゃ高校生だね。ウチは出前もやって欲しいんだけど、バイクの免許ないだろ?」

まさしく思惑の一致したことを言われた。

「ああ、行ってる学校はバイク禁止じゃなくて、免許取ったんです」

そう言って、必ず聞かれるだろうと思ってすでに手に握っていた免許証を出した。
店主は一瞥し、「ありゃっ、原付かと思ったら中型?へえぇ、バイク好きなの?」と相好を崩した。

「面白いので免許は取りました。バイクは持ってませんが・・・。せっかくだから免許が使えるアルバイトをと思って」

「そうかそうか、来てもらいたいね。よかったよ」

俺は採用(笑)が決まり、土曜の夕方と日曜日、そこで働くことになった。

商店街にあるその店は、どちらかと言うと住宅地の住人が土日にやって来ることでにぎわっていた。
俺はネギを腕がパンパンになるまで刻んだり(想像はしていたが、蕎麦屋のネギの消費量というのはすごかった)、大晦日は文字通り不眠不休で年越し蕎麦を準備したり。
そして調理というのはやってみると面白いもので、しまいには天婦羅まで揚げたり、親子丼やカツ丼のとじ番までやらされた。
出前を何軒もハシゴすればさすがにくたびれるが、バイクの運転にも慣れたし出前となれば無茶もしない。
それもなかなかに面白く、俺はバイクを事故らず事故に遭わず運転することを身をもって覚えた。

物心ついてずっと同じ町に住んではいたが、蕎麦屋は通りに面した店構えしか知らなかった。
蕎麦屋のバックヤードから後ろに店とは別の自宅があり、実は結構裕福な家であることを知って内心驚いた。
想像だがおそらく規模は小さくても地主で、賃料や土地代が入ってくる家らしい。
そして店主はヨーロッパ製の大型バイク、おかみさん、つまりその奥さんは国産のスポーツバイクに乗っていたのだ。
たまに見かける大砲の弾みたいなシルエットのバイクがすっ飛んでいくのは蕎麦屋のオジサンだったのか。
俺は可笑しかった。

ある日曜日いつも通り店に行くと、「今度の休日、暇かい?」と訊かれた。
俺は店に出てくれ、と言われるものだと思い「はい、大丈夫です。朝からでもやります」と答えた。
店主は笑って、「違うよ、ウチも休みだよ。バイクでツーリング行かないかっての」と言い、笑った。
意外でもあり面白そうだが、俺は自前のバイクがない。

「僕はアレ(出前用のやつのこと)ですか?」と聞き返すと、「あれじゃキツいよ。高速も乗れないよ。俺の弟がね、オフ車買ったのよ。250だから乗れるよ。弟ん家はマンションで停める場所に難儀するから、ウチに置いてやることにしたの。それなら乗ってエンジン慣らしといてくれってね。3台で行けるから、行こうよ」とニコニコしていた。

俺も楽しみに当日を迎えると、店主が浮かない顔をしている。

「前から機嫌悪かったんだけどコレは今日はダメだ、エンジンかかんねぇ」とボヤいた。

外車は突然思いもしないトラブルが起こるとか、勝手に壊れ勝手に直るとか聞いてはいたが、これは無理そうだ。

「あぁ、残念ですね。でも直ったらまたいつか連れてってください」

そう言うとおかみさんが「クルマ一台で出かけるんじゃないんだから、あたし達で行くんだよ。せっかく天気も良いのに」と、さも当然であるかのように言う。

「それなら二台で、オヤジさんとおかみさんが・・・」

そう言いかけるとおかみさんが・・・。

「こっちが誘ったのに、バイク壊れました、今日はナシですなんてケタクソ悪いこと言わさないでよ。ガソリン代も高速代もメシ代も、きょうはウチがスポンサーだから、行こう!」

俺はどう言えばいいかわからず黙っていると・・・。

「きょうはなぁ、カーちゃんのお守り頼むわ。オレは鬼がいない間に昼酒飲まさせてもらおう。お前さん、運転は雑なことしないし、まあ事故にだけは気をつけて行ってきて」と仰せで、結局俺とおかみさんで出発することになった。

いつも使っている“蕎麦屋のバイク”と違い、オフロードバイクは背が高く見晴らしがいい。
ガチャンガチャンと忙しくギアチェンジしなくてもスルスル走る。
振動と音も小気味良い。
俺はすっかり嬉しくなった。
店主夫婦がバイク仲間といつも行く定番コースだという、有料道を通って海に向かい、とある半島をめぐって帰りは高速で一気に帰るというルートだった。
天気も良くて気持ちがよかった。
クルマは渋滞するが、バイクは「ちょいと御免なさいよ」と脇を通っていける。

俺たちは昼前には眺めのいい海の見えるドライブイン(今はそんなものない?)に着いてコーヒーを頼んで休憩した。
おかみさんは「いつも真面目にちゃんと働いてくれてありがとうね。すごい助かってるの」とニコニコ言い、普段店では決して言わない近所のヨソの店の噂話や極秘情報(笑)を教えてくれた。
商店街には本屋と文房具屋がそれぞれ一軒ずつあるのだが、それぞれの家の子供がお互いの店で万引きして見つかり、それぞれの店主がお互いの家に相手の家の子供の手を引っ張っていく途中でばったり出くわした、という話には腹を抱えて大笑いした。

普段店に立つおかみさんは白い割烹着と地味なスラックス、化粧も薄く髪をひっつめて三角巾と、給食調理場のおばさんみたいだったが、革パンにブーツ、白いタートルにバイク用のブルゾンを羽織り、首にバンタナ、肩までの髪を後ろに編んでいるのを見るとまるで別人だった。

年齢を訊くと屈託なく答え、「オバサンの歳を訊くのは口説くときだよ、あんた、真面目なのにやっぱり、面白いね」と言って笑った。
もう大学を卒業して社会人の娘がいるにしては、ずいぶん若く産んだんだな、と思う年齢だった。
店主とは年齢差もだいぶあるようだった。

俺たちはときどき、バイクを交換して先に進んだ。
おかみさんは「これは足がつかないねえ。交差点のたびにつま先で立ってたら身長が伸びちゃう」と言っていたが、喉が渇いて休憩というので自販機のある場所で停まり、また走り出す時におかみさんが立ちゴケというヤツで派手に横倒しになった。
速度ゼロだから大したことはないか?と思いつつ、「大丈夫ですか?」と近寄ると、「足やっちゃったなコレは・・・」とさすがに顔を歪めている。
ブーツを脱いでみると左足首が右の二倍くらい膨らんでいる。
ひどい捻挫だ。

関節は動くので骨折は免れたようだが、バイクの左足はギアチェンジの側だから運転は無理だ。
そもそも左脚を地面について立てない。
バイクはミラーが少し曲がったくらいで無傷だが、人間が無傷ではない。

(どうするか・・・)

公衆電話(今じゃ見かけないね)から店に電話して店主に事情を話すと慣れた感じで場所を聞かれ、「ケガは大したことなさそうかい?じゃ、その近所に知り合いのバイク屋がある。電話しとくから、バイクにはカギかけてお前さんたち2ケツで行ってそのバイク屋に引き上げ頼んでおいとくれ」とテキパキと指示した。

行き慣れてる人はトラブルにも慣れてるもんだと俺は感心した。
俺はおかみさんを後ろに乗せ、二人乗りはほぼ初めてだったから極めて慎重に運転した。
(当時は免許さえ取ったらその日にでも二人乗りできたんだよ)

おかみさんは後ろから、「大丈夫だよ、もっとスピード出しても。あたしはこのバイクでこんなにゆっくり走ったことないよ!」などとよく分からないゲキを飛ばすが、ここで俺まで事故ったらアウトだ。

無事にそのバイク屋まで着き、事情とバイクのある場所を話し、後日取りにくる算段をしてもらい俺たちは予定コースよりだいぶ早めて途中から帰り路についた。
ひとつ困ったのは、当時の高速道路は二人乗りでは走れないのだ。
必然的に帰りつくまで一般道ということになる。
まあ、道路は繋がっているからそのうち着くだろうとは思うが、心配でもある。

乗り継げば店まで帰ることができる鉄道の駅近くを通りがかり、俺はおかみさんに「時間もかかるし帰りの渋滞もあるかもしれません。それに万が一の事故とか・・・ここからでもおかみさんだけ電車・・・」と言いかけると、「アンタ、頭も要領もいいからそんなこと言い出すかと思ったけどやっぱり言ったね?こんな装束で一人で電車乗れっての?あたしは嫌だよ。しがみついてでも2ケツで帰る!」と言い、一瞬怖い顔になった。

「わかりました、ならそうします。足も心配だし、休み休み走りますから・・・」

「そうだよ、タンデムも楽しいでしょ?(ヘル)メット被ってたらオバサンだってわかんないよ!」

分からないと何がどうなのかさっぱり分からないが、俺たちはそのまま店と家に向けて走った。

立ちゴケからの顛末ですっかり忘れていたが、俺たちは昼食も食べていない。
さすがに少し空腹を感じる。
おかみさんもそうだったらしく「この先に一軒、洋食屋があるの。休日だから通しでやってるはず。寄っておいしい物食べよう!」と言い出した。
俺に否もなく、おかみさんは足を引きずるどころか俺より先にケンケンで店に入っていった。

その店で普段とはまったく違う(蕎麦屋だからまかないは全て蕎麦か丼)ものを食べまくり、おかみさんは「あー、普通の茶色いソースはおいしいなぁ」とか「他人の作ってくれるものは刻んだキャベツだって嬉しいよぅ」だのとはしゃぎ、満喫した様子でビールも頼んだ。

(あっそうか、二人乗りなら飲めるのだ)

「怪我人の特権だね。バイク乗ってたらムリだもの」

おかみさんは笑った。
おかみさんは瞳が大きく鼻筋が通っていて、今思うとニルヴァーナのデイブ・グロールの若い頃に似ていた。
普段の抑え気味の服や伏し目がちで口数も化粧っけも少ないおかみさんと、今の生き生きとした彼女はまるで別の女性だった。
普段の様子はたぶん“客商売用の演出”もあるのだろうと俺は思った。
背は俺より頭半分くらい小さいが、実はメリハリのある体型なのも普段は目につかなかった。
ビールも入りほんの少しピンク色の顔のおかみさんはコドモみたいにケラケラ笑い、俺に「彼女いるの?経験あるの?」などと普段のキャラとは1億万キロ離れたことを小声で聞いてきた。

俺は何かひた隠すような大層な自分じゃない、と普段から思ってるので、「彼女はいません。そういう経験はあります」と正直に答えた。

「えっ・・・??意外だね~隅に置けないねぇ・・・どこの誰、なんてヤボなことは聞かないけど、へええ~」

と、おかみさんはしばらく俺の目を見ていた。

「ねえ、当たったらアタリって言って。誰にも言わないから。身近な、年上の人でしょ??」

まさしくその通りだったが、どこまでアタリと言っていいのかわからない。

俺は別に恥ずかしくも隠したくもないが、「まあ、アタリです」と答えた。

「ふうーん。そうなんだ。教えてくれてありがと。父ちゃんにバラしたりしないから安心して」

と、おかみさんは言って笑った。

食事を終えて出発すると、おかみさんは「まったく、見かけによらないね。でもなんだか、頼もしくなったよ、ウリウリ!」とわざと前に回した両手を強く引いて胸を俺の背中に押し付けた。
ビールの酔いのせいか知らないが、「ここで事故ったらもう帰れません」と俺は言いつつ、柔らかい背中の感触は正直、嫌じゃなかった。

本来なら高速に乗る予定だったインターチェンジの近所でそのまま一般道のまま進んでいると信号で停まり、おかみさんがポンポンと肩を叩いた。
二人乗りするときに何か停まる必要があれば肩を二回叩くと合図を決めていたので、俺は路肩に余裕のある場所でバイクを停めた。

「少し休みますか?足はどうですか?」と俺は訊いた。

「あのねぇ・・・あそこ、行こう!行きたい」

それはインターチェンジの周囲に必ずと言っていいほどある、仲居さんはおらず大浴場もない宿泊施設だった。
これ以上派手にしようがないみたいなネオンだったり、夢の国風だったり、ともかくそういうホテルが立ち並ぶ一角を指差した。

「えっ・・・あれラブホテルじゃないですか?」

今思うとマヌケだが、それ以外言葉が思いつかなかった俺はマヌケなことを訊いた。

「そうだよ!行きたい!行こう!」

どんな意味か知らない。
どんな意味かわかったら、そのとき考えるしかない。

「はい・・・」

俺は交差点を曲がり何軒かのラブホテルの横を通ると、彼女が「ここにしよう!」と言った。
バイクの二人乗りで来るヤツも珍しかろうと思うが、実際のところ当時の俺は未成年、しかも18歳未満だ。
今なら即逮捕?なのかもしれないが、まあおおらかな時代だったということで。
普通ならクルマを停めるだろう天井の低いブースにバイクを停め、そのままドアを開け階段を昇ろうとした。

彼女は「オンブして!」と言い背中から肩に手をまわした。

(こうなったら仕方ない)

俺は彼女をおぶったままえっちらおっちら階段をあがり、生まれて初めて入るラブホテルの室内をしげしげ見回した。
タバコとリネン類と、水道の塩素の匂いがした。

(まあ、観光地の旅館じゃないし、ここはそういうものなんだろう)と思った。

黙って突っ立っていると、彼女は「あたしじゃ嫌?」と言って笑った。
俺はまだここに入ってきた意味を確かめてないので、「こういうホテル、来たの初めてです」と言うしかなかった。

「あのね、ぎゅって抱き締めて欲しい。セックスしたいの。きょうずっとタンデムで走ってて、なんだかあたし途中からトロンってなってた。男の人の体温とか背中とか匂いとか、なんだかドキドキしっぱなしだったんだよ。嫌だったら仕方ないし、そうだったらお風呂入って帰ろう。でも嫌じゃなかったら、ギュってして欲しい。さっきからすごくそうしてほしくなったの。トーちゃんには悪い気もするけど、もうトーちゃんとは手も繋がないんだもん」

家で待つトーちゃんのことを考え、目の前のカーちゃんを見やり、俺は考えた。
ダメなことだろうけど、人はダメとわかっててもダメなことするんだろう。
俺がゴタイソウなこと言っても仕方ない。
そして目の前にいる彼女は、とても可愛くて華奢だった。

「嫌じゃ、ないです」とだけ言った。

彼女はベッドに腰かけていたのを立ち上がり、左脚をかばいながら俺の正面に来て俺の腰に腕をまわし胸にもたれた。
意外にも(?)俺は激しく勃起していた。
性的な衝動より「なんだかやっと椅子に座ったり寝転んだりできる、やれやれ」という安堵で、たぶん朝勃ちみたいなものかな?と思ったのは時間が経ったあとのことだ。

「ちょっと~、何よもうこのゴツゴツ。こんなに固くなってるよ。ホラホラ」

腰をさらに押し付けてくる彼女は俺を見上げた。

「キスして・・・ねえ?キスして」

俺は最初少し唇をくっつけ、また離し、そして長いキスをした。
ギュっ、と抱き締めた。
髪から良い匂いがした。
もっと力を入れると彼女は声になるかならないかの、吐息のような喘ぎ声を出した。

「脱ごうよ」

彼女はそう言い、革パンツと綿のタートルネックを脱いだ。
水色のブラを取り、そして水色のパンティはびっくりするくらい濡れていた。

「ちょっとだけ待ってて」と、シャワーを使って戻ってきた。

「あんなに濡れて・・・でも勝手になったんだよ・・・自分でも何でかな?って最初は思ったけど、もっとくっつきたい、って無意識に思ってたんだね。あたしエッチだなあって呆れたけど、それも自分だから仕方ないね」と言い、また笑った。

二人でベッドに入り、俺はまた長い時間キスをして乳首を吸った。
うなじ、首、またキスをして、舐めた。
張りがあって綺麗な形のおっぱいだった。

「きれいな、おっぱい」と言うと、彼女は「ホント!?ホント??うれしーい」と言い、俺の目を見つめた。

俺は彼女の膝を持ち両足を大きく開かせ、捻挫して腫れている足首を気遣いながらオマンコをゆっくり舐めた。
クリトリスを舌で包みながらそっと指で小陰唇を開き、膣口から尿道口まで丹念に舌で刺激すると膣口からさらに体液が溢れた。
女性の匂いと味を確かめ、それを何度か繰り返すうちに彼女は太ももに力を入れシーツを握り締め、「・・・いく・・・」と小声で言い、弓なりに反り背中を浮かせた。
俺はそのまま彼女の太ももの下に手を入れ腰を自分の方に近づけ、初めて挿入した。
一回だけ突いた。

このタイミングでとは思っていなかったのか、彼女は「あっ・・・ああ、あ・・・あっ、またいく・・・また・・・」と二回目の絶頂を迎えた。

目を見開きせわしない荒い息を繰り返したかと思うと、ぐったりと脱力し、虚ろな目で俺を見つめた。

「あんたどうしてこんな優しいの、嬉しい。上手だね。悔しいけどヤキモチ妬いちゃうじゃない。オトコって、最初にセックスした女でそのあとどんなセックスするか、きっと決まるんだよ。いい女の人に出逢ったんだね。なんだか妬ける!」

そう言いつつ、目は笑っていた。
俺はゆっくり彼女を腹這いにさせ、腰を浮かせた。
小声で「あっ・・・」と言いながら彼女は少しだけ振り向いた。
俺は彼女の肛門の周囲をなぞるようにゆっくり舌を這わせ、尾てい骨の凸部と肛門の間を舌で往復させた。
膣口からまた大量の体液が流れだし、糸をひいてシーツまで垂れた。

「恥ずかしい・・・あたしこんなにエッチなのわかっちゃうの恥ずかしい・・・。ねえ挿れて・・・このまま後ろから・・・オチンチン挿れて・・・ねえお願い、お願い!」

「どんなふうに・・・?」

「オマンコの奥までいっぱい挿れて・・・乱暴にして欲しい・・・。オマンコに・・・オチンチン欲しい・・・はやく・・・」

俺は突き立てた。
体液がまた中から溢れ、俺は速いペースで抜き挿しを繰り返した。

「あっ・・・ああ駄目、もう、ああ駄目」

ヨガの『猫のポーズ』の感じの姿勢のまま、彼女はまた絶頂を迎えた。
俺は動きを止めなかった。

「あっ・・・あ・・・いい・・・あっ・・・休ませて・・・息・・・できない・・・あっ・・・はあっ・・・あっ・・・いく・・・」

まだ止めない。
少しイジワルしたくなった。
まだアルバイトを始め日が浅いころ、ネギの刻み方を厳しく教わり一度だけネギで「メーン!」ってオデコを叩かれたのを思い出して、「前にネギでオレのオデコ、叩いたでしょ?」と言うと・・・。

「もう・・・イジワル・・・だってアンタのあの手つきじゃネギじゃなくて指が短くなっちゃったら心配・・・。あっ・・・やめないで・・・すごいイジワルだね!お願い・・・動いて・・・オマンコの奥まで動いて・・・お願い・・・やめないでお願い」

俺はまた動き、止め、また動いた。
彼女はずっと喘ぎ続けた。
抜けるか抜けないか、ぎりぎりのところまで引き、頭の中で数秒数えてまた一気に突き刺した。

「オマンコ、気持ちいい?」

「・・・気持ち・・・いい・・・ああっ・・・オマンコ気持ちいい」

「俺射精しそう、やめちゃうよ」

「いや・・・いやだってば・・・絶対やめたらイヤ!やめないで・・・」

「じゃあ、コンドームつけようか」

「大丈夫・・・あたし大丈夫・・・もう妊娠はしないの・・・大丈夫・・・中にたくさん出してちょうだい・・・お願い・・・。このままたくさん出して・・・あ・・・いきそう・・・いく・・・」

「じゃあ、ちゃんと言って」

「オマンコに、たくさん、出してちょうだい・・・」

「どんな風に?」

「どんな・・・ドクドクって出して・・・」

「もっとちゃんと言って」

「白いの。熱いの。ドロドロのいっぱい出して」

「どこに?」

「オマンコ。あたしのオマンコに・・・。早く出して・・・オマンコいっぱいにして・・・」

「欲しいの?精子いっぱい?」

「欲しい。欲しい・・・精子いっぱいオマンコの奥までぶちまけて!欲しい・・・出して・・・精子いっぱい・・・ちょうだい精子いっぱい出して」

「じゃあ、このままオマンコに精子出すよ」

俺は自分のタイミングと腰と彼女の尻の動きをゆっくり合わせるようにして思い切り射精した。

「あっ・・・来てる・・・熱い・・・精子たくさん・・・あ・・・いく」

そう言った瞬間、挿入している膣口の前、尿道口から熱い液体がシャーっと出て両膝をついて四つん這いの彼女の腹の下あたりに染みが広がった。
知ってはいたが、潮吹きを初めて見た。

「あっ・・・お漏らし、しちゃった・・・恥ずかしい・・・ごめんなさい・・・」

「いいんだよ。大丈夫」

俺はゆっくり体を引き、彼女から離れた。
彼女はそのまま腹這いで大きく呼吸しながら、「あ・・・まだ気持ちいい・・・中が気持ちいい・・・」と言い、ビクっビクっと何度か背中を跳ねるようにくねらせた。
彼女の首筋から背骨に沿って、俺はゆっくりと舐めた。
尻を掌で広げ、もう一度肛門を丹念に舐めた。
そして膣口から、精液が流れ出るのを眺めた。
ゆっくりと仰向けになるよう促し、抱き合い、キスをした。
彼女の瞳が涙で潤んでいた。

「あ・・・嬉しい。とっても嬉しい・・・幸せ・・・」

俺はまた強く勃起していた。
向き合う姿勢のまま、そのまま挿入した。

「あああっ・・・なんか変・・・あっ・・・いくよ・・・また・・・」

俺は両足を高く上げさせて、一番深くなる位置で動きを繰り返した。
彼女はもう言葉にならず呻き、叫びをあげた。
もう一度激しく潮を吹いた。
俺の腹まで濡れた。
そのまま、二度目の射精を膣内にぜんぶ注いだ。

ゆっくり彼女の体が鎮まるのを待って、二人でシャワーを浴びた。
明日の朝帰るというわけにはいかないのだ。
俺は彼女にバスタブの淵にしゃがむように命じ、「オシッコして」と言った。

「おしっこするの・・・このまま?」

哀願するような目で見たが、尿道口から黄色い尿がほとばしり出た。
俺は両手ですくって飲んだ。

「あっそんな・・・あたしのオシッコなんか飲んで・・・でもエッチで嬉しい・・・。こんなエッチなの初めてだよ・・・ねえ、精子も飲ませて」

俺は立ったままでいて、彼女は口で俺を慈しむように扱った。
3回目の射精を思い切り彼女の口に出しきった。
目を瞑ったまま彼女は喉を鳴らして、飲み干した。

「飲んじゃった・・・飲んだの初めて・・・」

すっかり日が暮れていた。
ホテルにいたのは2時間もないが、長い長い時間を一緒に過ごしたような気がした。
無事家に着いたというのに、トーちゃんは昼酒からそのまま晩酌だったらしくグーグー寝ていた。
俺は音を立てないようにバイクを小屋にしまった。
彼女はニコっ笑うと声は出さず、「バイバイ」と掌を振った。

その後は、そういうことはそれっきりだ。
彼女はいつもの、地味目で口数の少ないいつものおかみさんでいて、俺は同じように土日や祝日にアルバイトで働いた。
3人でツーリングにも行った。
俺は高校生にして老成してたわけでもないが、何か「図に乗ってボケる」のがイヤだったのだ。
おかみさんとのセックスは十二分に良い思い出だし、それを大事にするだけでもいい。
おかみさん心の中はわからないが、おかみさんもそうなのかもと思った。

ときどき、オヤジさんがおらず、俺が厨房でネギを刻んだり卵をといたりしていると、おかみさんが後ろから俺の背中に額をゴツンとぶつけ、少しだけ体の重みをかけて頬を俺の背中につけ、じっとしているときがある。
俺は「はい」とだけ答え、そのままネギを刻んでいた。
タンデムのときを思い出すのかなと俺は思った。

俺はというと、大学に進んだのを機に一人暮らしで他所の街に行くことになり、蕎麦屋のアルバイトも終えた。
蕎麦屋は出前はもう引き受けないことにするそうで、俺に慣れ親しんだバイクをくれた。

高校の卒業式のあと、オヤジさんとおかみさん、その娘夫婦と小さい孫の5人で、俺の卒業と入学祝いを蕎麦屋でやってくれた。
テーブルにカツ丼がお子様サイズを含め6つ並んだときはおかしくて吹き出した。

「代わり映えしないでしょ?でもそれがいいんだよ」

おかみさんは静かに言ってニコっと微笑んだ。
お祝いだと言って箱包みをもらった。

「ウチに帰って開けるまでナイショ」

そう言われたのはいいけど、包装紙が商店街の時計屋の物なのだ。
俺はげらげら笑った。

「ありがとうございました。嬉しいです」

俺は心からそう言い、生まれ育った街の思い出にこんな場面が加わるなんてな、と思った。
時計屋の箱(笑)を開けると、カッコいい腕時計だった。
嬉しかった。

見ると店の割りばしの袋が入っている。
裏にインダス文字のようなオヤジさんの字で、「よく働いてくれてありがとう、休みにはバイクで帰っておいで」と書いてあった。
そしてうっかりしたら見落としそうな、細い千代紙の短冊が時計のバンドの裏側にそっと這わせてあった。
きれいな楷書のおかみさんの字で、小さく小さく「あなたの背中」とだけ書いてあった。

俺は不覚にも涙が止まらなかった。
オヤジさんには一度だけ悪いことしたのかもと今でも思うが、おかみさんとのあの体験はいつまでも夢の中の出来事のようだ。
長い年月が経った今でも、色褪せない。

不倫

Posted by Small Stone River