安いドラマ展開ばかりだったけど・・・

純愛・青春

文才が本気でないから駄文になるがよろしく。

俺さ、小学校時代からの女友達が居たんだわ。
俗に言う幼馴染。
便宜上、『A子』ってしとく。

A子は父親を早く亡くして、所謂『母子家庭』ってヤツだった。
もちろん小学生の俺には意味も解らんかったから仲良くなるのに全然関係なかった。
お互い、仲も良かったしさ。

中学くらいになっても思春期特有の照れから来るすれ違いもなかった。
A子のお袋さんにも良くしてもらってたし、高校になってからも俺たちは自然な形で付き合ってた。

そんな幸せな日々も高校卒業と同時に崩れだした。

もともとA子のお袋さんは体が弱かったせいか、娘を無事に卒業させた気の緩みからか、体を壊してしまった。
そして一ヶ月後・・・。

A子のお袋さんの葬式は、A子が喪主になって行われたよ。

今でもその時のA子を覚えている。
必死に泣かないように歯を食いしばって。
気丈に振舞って立派に喪主を務めあげた。

でも、18歳の女の子がずっと耐えられると思うか?

答えは無理。

式が終わった後にA子は俺の家に来たよ。
親父もお袋もその時は気を利かせて外出してくれた。
そして、その晩はA子は声を上げて一晩中泣いてた。
俺も涙を見せないようにしたかったけど無理だった。
でも、それでも俺はA子に言いたい事があって、何とか取り乱さずにA子のそばに入れた。

そして、ちょうど明け方だったと思う。
A子がようやく落ち着いて話ができる状態になってから俺はA子に話し掛けたよ。

「俺が大学卒業したら結婚しよう。ずっと一緒いよう!」

我ながらよくそんな安いドラマの台詞を言えたと思う。
それでもA子はしっかり俺を見つめていた。

正直、状況が状況だけに俺、答えが怖かった。

長い沈黙の後、A子は口を開いて泣き声で・・・。

「ずっと・・・一緒にいてくださびっ・・・」

最後咬んでた。

まぁ、そんなこんなでようやく落ち着いた日が過ぎって行った。

でも、今から三年前。
もう一度、不幸はやって来た。

その日はA子の誕生日で、俺の頭の中は『いかにしてプレゼントを渡して、どんな食事をしてどうやってホテルに誘おうか』と、童貞の初デートみたいに浮かれてた。

でも、待ち合わせの時間まで後一時間ってとこで知らない番号から電話がかかってきた。
警察からだった。

「A子が事故に遭って、意識不明になった」

頭の中が真っ白だった。

とりあえず何とか病院の位置を聞いた俺は、強引にタクシーを捕まえて病院へ。
病院に着いた俺は、医者を壁に叩きつけるような勢いで彼女の容態を聞いたよ。
なんでも、昼間から酔っ払って運転していた糞野郎が信号待ちしてた彼女に突っ込んだらしい。

容態は意識不明。
頭を強く打っており植物人間状態。

この時の俺は、本当に何も考えられなかった。
息も出来ないくらいに、何がなんだか解らなかった。

病室に入ると体中にチューブと酸素マスクをつけた彼女。
俺は居た堪れなくなって外に飛び出したよ。

その時はなんでこんな安いドラマ展開ばっかり起きるんだよ。
彼女が何したっていうんだよ・・・って、世の中の全てに怒りが湧いてきて病院の壁を何回も殴ってた。
(骨折してました。)

その日から俺は、毎日、彼女のところ行ったよ。
ドラマの主人公の気持ちが痛いほど判る時期だったね。

そして、それから二年後。
いつももように彼女のお見舞いをしに病院へ。

でも病院に入った瞬間に担当医が俺を待っていたように血相変えて走ってきた。
話聞いた俺も血相変えて病室へ。

そこにはもぬけの殻となったベッドが一つ。

で、22日に墓参りしてきた。
彼女の家は母子家庭だったけど、お袋さんが若いときに墓だけは買っていたらしい。
あれから一年色々なことがあったけど、俺はこれからも一生懸命生きていくって墓前に誓った。

泣いたり。笑ったり。喧嘩したりするかもしれない。
また絶望して全てを投げ出したくなるかもしれない。
でも、俺は絶対に諦めない。
だから、見守ってくださいと・・・一時間くらいの長い墓参りだったよ。

そして最後に、「孫ができたら、また来ます。お義母さん」と、隣で優しく微笑む彼女と一緒に声に出して報告して帰ってきた。

来月に挙式です。