あるチャットの失恋部屋で出会った儚い女の子と

純愛・青春

僕は失恋をした。
大好きな彼女に大切な人ができたらしい。
初めての失恋で、辛くて辛くて、その時は締め切りも近くてすごく追い詰められていた。

僕はPCに向かう仕事の合間に、あるチャットの失恋部屋に行くようになった。
みんな仮想現実だからいい人ばっかりで、そこで話を聞いてもらってるうちに元気が出てきた。
色んな部屋に行くようになって、仲のいい人たちで顔を出し合ってる部屋があった。
その中にすごくキレイで、でもなんか儚い感じの女の子がいた。

話してるうちに、彼女が過去に辛いことがすごくたくさんあって引きこもってしまっていること、それに焦りを感じていても何もできないこと、家族に申し訳ないこと、そして死にたいこと・・・が分かった。
すごく暗いものを持ってる彼女に僕はすごく惹かれ、彼女の方も僕が彼女を分かってくれる気がしたみたいで僕は彼女に会いに行くことになった。

待ち合わせの店で待っている時も不思議と緊張は感じず、なぜか落ち着いた気分でいられた。
彼女は「人と会うのが怖い」と言っていた通りかなり緊張した様子だったけど、少し話をしたら安心してくれたみたいだった。

ゆっくり話したいってことで二人でネットカフェに行った。
それから3時間くらい、漫画読んだり、ビリヤードしたり、チャットしたりしながらずっと話してた。
二人会うのが初めてなのに、なんか本当に落ち着いた気持ちで、もっともっと一緒にいたいって思って、本当なら僕は帰る時間だったんだけど彼女の車で夜景を見に行くことになった。
そこでも、彼女の今の鬱屈した気持ち、何かを壊してしまいたい気持ち、そして死にたい気持ちを聞いた。
でも、今僕と一緒にいてすごく楽しいとも言ってくれた。

彼女は優しくて、キレイで、こんな子がこのまま消えてしまうなんて、すごく勿体なくて許せなくなった。
僕は、彼女と一緒に居たかったから無理やりそう考えたのだろうけど・・・。

(彼女には今と全く違う空気を吸うことが必要だ。僕の家に来て少しのんびりすればいい。彼女をこのまま家に呼ぼう)と思った。

その時期の僕はそんなに忙しくなかったし、彼女は仕事もしていないので、彼女にそう言うと「今なら君とどうなってもいいから自分を壊したい」と言った。

親に置手紙を書き、彼女を僕のバイクに乗せて少し遠い家まで帰った。
家に入る時は、ずっとバイクでくっついてたこともあって、自然と二人で手を繋いでいた。

もう朝になっていたので寝ることにした。
昨日会ったばっかりなのに二人で歯を磨いて、これから寝る準備をしてることがおかしくて彼女が笑ったのがすごく可愛かった。

たまらず歯磨きしたまま彼女を抱き締めると彼女はビクッとした。
そして、「ごめん。やっぱりエッチがすごく怖い印象があって」と言った。
エッチの時は、「男がケダモノに見える」とも言ってた。
急に抱きついたことを謝って、一緒に寝るつもりだったけど、布団を別々にしようとしたら彼女が、「寝るのは一緒でもいい」と言った。

布団に入ると彼女から抱きついてきた。
よく分からなくてじっとしてたら、彼女が「さっきは怖がってごめん。君となら大丈夫かも。怖くなったらやめてくれる?」と言いながらキスをしてくれた。

僕は彼女が怖がらないように、めいっぱい優しく抱いた。
本当は激しいエッチが好きだけど、フェラもクンニもなく、乳首を舐めることもなく彼女と一つになった。
彼女はすごく控えめにだけど喘いでくれた。
彼女のキレイな喘ぎ顔を見ながら、彼女が今どんな気持ちでエッチしてるのか考えたら、儚くて脆くて消えてしまいそうで悲しくて、壊れ物を扱うようにエッチした。

エッチの後、彼女は、「怖くなかった」と言ってくれた。

「ケダモノにも見えなかったし、すごく安心できた」と言ってくれた。

僕は彼女の特別な存在である気がした。

彼女はその滞在で4日くらい僕の家にいた。
僕らは彼女が帰る間際に付き合うことにした。
初めのうちは、あまりにも急な出会いだったから、「これは夢で、目が覚めたらいなくなるような気がする」とお互いに言ってた。

それから半年経った。
彼女は4年間の引きこもりを打ち破って職業訓練校に通い、いっぱい資格を取って卒業し、正社員の仕事はまだ怖いけど、少しずつでも前に進むためにとアルバイトをしている。
生活も、「今まで何もない4年間を過ごしてしまったから急いで成長しないと」と言って、いい女になろうと頑張ってる。
僕から見たら十分いい女なのだけどw

初めて会ってから2年経つが、一時期別れたこともあったけど、今は付き合っていて、僕の仕事の関係で少し遠距離になるけど、遠距離でうまくいったら結婚しようと考えている。
前の彼女と別れて彼女と出会って、この先どうなるか分からないけど、彼女とずっと一緒にいられたらいいと思っています。