戦争の爪跡

2010/01/26 04:39┃登録者:佐助◆5q6F8vCQ┃作者:名無しの作者

408 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/25(月) 13:03:41 0
伯母の旦那は元ベトナム人なんだけど
ベトナム戦争での歴戦の勇士だった。
最新鋭の装備を持つ米軍相手にゲリラ戦で抵抗して
武器がないときは農作業用具で敵兵の首を切ったりしてたんだって。

横腹に変な傷があったし、腕なんかも傷だらけなんだけど、
横腹のあれはサブマシンガンの弾がかすった跡らしい

幼い頃、仕事で使う包丁の使い方を練習してるときに出来た傷だって
教えられたけど、
人のいいオジサンなんで、すっかり信じちゃってたよ。

銃声と爆撃音の中で生活して
幼馴染の女の子や学校の友達、近所のおじさんなんかが
目の前で頭が吹き飛んで無くなったり
内臓撒き散らしたりするの当たり前のように見て来たんで
心に深い傷を負ってるんだそう

ときたま、突然人混みの中で泣き出すことがあったんだけど
その話を聞いて、あれはPTSDの症状なんだと分かった。

子供の頃にこの事を教えてもらえなかったのは、
自分の罪を隠すつもりはなかったけど
真ん丸な子供の目を見てたら
沢山人を殺してるってことを話せなくなっちゃったからだってさ

戦争はもう心底真っ平だそうだけど
「でも、家族を守るためなら、僕は何人でも殺すよ」
と言ってた。

人がよくて真面目な伯父さんの言う「殺す」という言葉は
不良が脅しで言う「殺すぞ」という言葉にはない
ずっしりとした重みがあって、
心が真から冷えるような怖さがあった。

うっかり伯父さんの家に強盗なんか入ったら、
強盗は即死だと思った。

 

┃414 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/25(月) 23:49:48 0
┃歴戦の勇士と言えど、もう高齢だろ?
┃ゆとり世代DQNが入ってきたら、
┃即死はベトコンの方だろ

 

┃415 名前:名無しさん@HOME[] 投稿日:2010/01/26(火) 00:01:00 0
┃>>414
┃例外もある。

┃新撰組二番隊隊長の永倉新八は、60過ぎて
┃DQN3人相手に、
┃連れていた孫を守りつつ手ぬぐい1本で戦って勝ってるよ

 

┃416 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/26(火) 00:04:11 0
┃>>408
┃伯父さんは格闘技かなんかやってたの?

 

┃417 名前:名無しさん@HOME[sage] 投稿日:2010/01/26(火) 00:25:07 0
┃>>414
┃実戦経験と言うものを舐めるな。
┃武道の有段者より、ケンカで場数踏んだ奴の方が強い。
┃戦場で人をたくさん殺した奴はもっと強い。
┃外国では高齢の退役軍人が素手で若い銃持ったDQN撃退した話なんて、
┃いくらでもある。

┃>>416
┃戦場で人を殺した経験は、格闘技の訓練積む以上に人を強くするよ。

 

418 名前:408[sage] 投稿日:2010/01/26(火) 02:55:24 0
すいません。説明不足ですね。
字数多すぎと言われたので、後半大幅に省略してしまいました。

伯父が強盗を殺してしまうのではないかと思ったのは
実は、伯父が歴戦の勇士だからというだけではないんです。

これは伯母から聞いた話ですが
今でも伯父は、寝ているときに銃撃戦などで人が死ぬ夢を見るそうです。
その夢は、硝煙の臭いや血の生温かさ、日差しの強さまで当時そのままで再生され
まるで当時の戦場に投げ込まれたのではないかと錯覚するほどリアルな夢だそうです。

最近は、殺される人の顔が当時の実際の死亡者から
伯母や子供に変わったそうで
夜中、突然飛び起きて子供部屋に走って行き
子供が無事なことを確認することも、しばしばあるそうです。

大事な人が殺されるかもしれないという恐怖と
いまだに戦い続けている伯父なので
敵が家に入ってきたときの対策などを無意識のうちに考えてしまい
それで色々と備えをしたりしています。
銃の使用許可も持っているそうです。

本当は銃なんか見るのも嫌なんだそうですが
それでも時々、銃の雑誌なんかを買ってきては
銃の性能や撃てる弾の数、弱点なんかを研究しているそうです。

伯父は、相手が持つ武器の特徴などが一目で分からないと
生き残れる確率が一気に下がるなどと伯母に言っていたそうです。

戦争当時、伯父たちの使っていた銃は随分旧式の銃で
そのオンボロの銃さえも全員分に行き渡るほどの数はなく
銃を貰えなかった人は、吹き矢や弓矢を作ったり
農耕用具を武器にしていたそうです。

そんな貧弱なもので、最新鋭の装備を持つ
大柄で凄い筋肉の米軍兵士と戦ったそうです。

 

419 名前:408[sage] 投稿日:2010/01/26(火) 02:56:06 0
火力でも、腕力でも勝る米軍と戦うために、
当時、伯父たちは必死に知恵を巡らせたらしいのですが
そうやって考える癖は治っていなくて、
今も無意識のうちに生き残る方法を考えてしまい、
思いついてしまったら、そのアイディアを、
備えとして実行せずにはいられないそうです。

つまり、伯父の暴漢対策って、
ナイフを持った強盗なんかを想定してるんじゃなくて
戦場で使う兵器をフル装備した米軍兵士を想定してるんですよね。

伯母が、セコムは入ってるから、
何かあったらすぐ警備員が来るって言っても
110番すれば10分ぐらいで警察が来るから、
そんな心配はいらないって言っても
銃や手榴弾を持った人間が入ってきたとき、
何の対策もしてなければ3分で皆殺しになるなどと言って、
頑として意見を曲げないそうです。

>>416
>伯父さんは格闘技かなんかやってたの?

伯父は、ベトナムの格闘技をやっています。
でも格闘技の練習には、あんまり力入れてないみたいですね。

伯父に言わせると、
ベトナムの格闘技も、日本の空手や柔道なんかも
あまり実践的ではないそうです。
刃物や銃も持った相手には、また別の戦い方があるそうです。

>>417
>戦場で人を殺した経験は、格闘技の訓練積む以上に人を強くするよ。

この話、私もすごく分かります。
でも、伯父を見る限りでは、戦場を経験した人が強いのって
いまだに戦場のトラウマを引きずってるからだと思います。

もうベトナム戦争は終わって、
伯父も戦争を放棄した日本の国民になったのに
伯父の心の中では、いまだにベトナム戦争は終わっていなくて
襲ってくるはずのない米軍兵士といまだに心の中で戦い続けています。

戦争経験者の強さって、
そういうところに起因するんじゃないかと思います。

陽気で人のいい伯父が、
いまだに戦争の傷跡で苦しんでいると思うと
胸が痛みます。

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